落語の演目

手無人てないど

滑稽噺上方落語が原話義太夫

腕のない者ばかりが集まる食客の家で、給仕の手も足りなくなる話。

あらすじ

風流な旦那が、居候を募る立て札を出したところ、大勢の者がやってきました。ところが集まったのは、なぜか片腕や両腕のない者ばかりです。

「薩摩守忠度と申す者、兵庫駒ケ林で岡部の六弥太と組み討ちのさい片腕を斬られ、難渋致す」と名乗る者を皮切りに、法界坊に両腕を落とされたというおくみの父親、大江山の茨木童子、刀鍛冶の団九郎、堅田の小まんまでもがやってきます。

さらに、浄瑠璃で一人遣いに使う、もともと手のないツメ人形まで居候の仲間に加わり、屋敷じゅうが腕のない者ばかりになってしまいました。

みなが食べるのに難儀するだろうと、旦那が女中に給仕をさせようとすると、女中は「私一人で台所に手が足りませぬ」と悲鳴をあげました。

旦那はこう言いました。「うん、居候も手が足らぬわい」

成立と背景

上方に伝わる噺です。題名の「てないど」は、「けないど」(家内人、つまり居候の意味)のしゃれだといいます。

桂米朝は、「一人では手がまわらぬ。うちにけないどが大勢いるのに」「いや、あれはみな、てないどじゃ」という掛け合いがもとの結びだったのでは、と述べています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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