落語の演目

手紙無筆てがみむひつ

滑稽噺手紙八五郎

別題: 無筆の手紙、平の蔭

字の読めない二人が、手紙の中身を当て推量で読み合う話。

あらすじ

本所に住む伯父から手紙が届きましたが、あいにく八五郎は字が読めません。仕方なく、近所の兄貴分のところへ読んでもらいに行くことにしました。

ところが頼られた兄貴分も、実は字が読めません。それでも無筆だと知られるのはくやしいので、知ったかぶりであてずっぽうに読み上げることにしました。

手紙を届けに来た使いの者が風呂敷を持って待っていたのを手がかりに、何か頼まれなかったかと尋ねると、八五郎は「そういえばお店から本膳を借りてくれといわれた」と口にします。

兄貴分はそれに調子を合わせ、「それそれ、それが書いてある。大皿、小皿、大平も借りておくれと書いてある。箸は洗って返すのが面倒だから、となりの荒物屋で買うからいい」と、あてずっぽうを重ねていきました。

八五郎が「お猪口のことをいわなかったが、書いてないか」と尋ねると、兄貴分はこう答えました。「あぁ、小さいので大平という字の蔭にかくれて見えなかった」

成立と背景

大平とは、二の膳に添える大きくて平たい椀「大平椀」の略で、噺の中では丼で代用されることもあると触れられています。

原話は、宝暦十二年に出たとされる『軽口東方朔』という本に収められている「小僕肴籠」です。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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