狸娘たぬきむすめ
芝居の桟敷で相席になった美しい娘の正体を、あとで知らされる話。
あらすじ
男二人が枡席で芝居見物をしていると、案内の若い衆が来て、婦人二人連れと相席にしてもらえないかと頼んできました。承知すると、二十一、二の上品な娘と、その付き添いの女中が入って来ます。
男たちは色めき立ち、弁当を勧めたり、娘が贔屓にしているという高島屋の話で盛り上がったりして、すっかり打ち解けました。
女中は、名は明かせないが娘は狸穴のさる家のお嬢様だと打ち明け、お礼に食事をご馳走したいと申し出ます。四人は花屋敷の常盤屋へ場所を移しました。
さらに打ち解けたところで女中は、お嬢様は遅くなったので亀沢町の自分の宿に泊まるが、お二人もぜひいらしてほしいと誘い、時計を預かってくると言って席を立ちます。
男たちが帳場のほうへ向かうと、女二人はすでに車を呼んで先に帰った後でした。勘定を払おうとした男たちは、二人とも財布がないことに気づき、スリにやられたと悟ります。
家から人を呼んで金を届けてもらう間に、女たちはお縄になっていました。「あれは狸穴の狸娘のおきんといって、名の知れた者だそうで」と聞かされた男たちはこう言いました。「狸娘かえ。道理でしっぽを出しやがった」
成立と背景
雑誌『百花園』に、三遊亭円左が演じた速記が掲載されているのみで、資料は多く残っていません。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

