蛸芝居たこしばい
芝居好きの店で、魚のさばき方まで芝居がかりになる話。
あらすじ
大阪船場のさる大家は、主人から奉公人にいたるまで、そろって大変な芝居好きでした。そこへこれも芝居好きの魚屋が魚を売りにやって来ます。
「今日は何があるねん」「海老蔵、鯛之助、蛸蔵」という調子の芝居がかったやり取りのすえ、旦那はタコとコイを買い、酢ダコにするタコをすり鉢で伏せさせ、コイは三枚におろすよう言いつけました。
井戸端で丁稚の定吉と芝居の真似事をしているうちに、犬が魚の荷からブリをくわえて逃げ出し、魚屋と定吉は追いかけていってしまいます。もう一人の奉公人も酢の買い出しに出かけ、旦那は一人になりました。
旦那が一人でたばこをふかしていると、すり鉢の下でタコが持ち上がり、芝居がかった調子で「食われてたまるものか、よし、逃げてやろう」と動き出します。芝居気取りでつかまえようとした旦那は、タコに当て身を食わされて引っくり返ってしまいました。
戻ってきた奉公人が倒れている旦那に驚くと、旦那は答えました。「煎り豆を三粒持って来ておくれ」「どうしなはったのや」「タコに当てられた」
成立と背景
芝居がかった場面はすべて鳴り物入りで演じられます。「タコに当たったら煎り豆を三粒食べれば治る」という言い伝えをマクラで説明しないと、サゲの意味がわかりません。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

