竹に虎たけにとら
酒におぼれた絵師の女房が、襖に竹を描いて出て行く話。
あらすじ
酒井米水という絵の名手がいました。腕は確かなものの金銭に頓着せず、大変な酒好みで、気が向かなければ絵の注文があっても筆を取ろうとしません。
毎晩のように酔いつぶれて帰っては女房のおみつを困らせるので、おみつは子供を連れて家を出ることにしました。仮張りの襖地に墨で竹の絵を描き、古歌を書き添えて置き手紙にします。
翌朝目を覚ました米水は、家に誰もいないことに気づきました。ふと襖を見ると、竹の絵と古歌が目に入ります。「さてはおれが酔ってひどいことを言ったので、出て行ってしまったか」
米水は考え込みながらつぶやきました。「しかし、なんだって竹の絵を描いていったんだろう……。ははあ、なるほど。おれがトラだったからか」
成立と背景
「百花園」という雑誌に桂文治の速記が載っていますが、その後演じ手がいません。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

