酢瓶すがめ
再婚を勧められた女が、酢の出来で身の振り方を占う話。
あらすじ
夫に先立たれた女が、亡き夫の残した遺産をたよりに暮らしていましたが、かつての仲人であった佐兵衛から、そろそろ再婚してはどうかとすすめられます。女はこれを断りました。
遺産が尽きたときのためにと、佐兵衛は自分の生業である酢造りの製法を女に教えます。米と水に薬を混ぜて瓶に密閉すれば一晩で酢になるが、性に合わない者にはできない。翌日に酢ができていなければ再婚するようにと言い聞かせました。
言われたとおりに瓶を密閉した女は、気になって瓶の前で番をしていました。すると瓶の中で音がしはじめ、酢ができつつあるようだったので、これで再婚しなくてすむと喜びます。
そのうちに女は、これを売って大もうけしたら役者でも買おうか、いや目立ちすぎるので、いっそ向島の近くにでも素人の色男を囲おうかと、勝手な妄想を膨らませていきます。挙句には、その男が浮気をしたという想像にまで話が飛び、「この浮気者め」と男を突き飛ばすしぐさをしてしまいました。
その拍子に酢瓶が土間に転がり落ち、割れてしまいました。
成立と背景
雑誌『文芸倶楽部』十九巻十三号に速記が残っているだけで、今ではほとんど演じ手がありません。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

