酢豆腐すどうふ
別題: あくぬけ、ちりとてちん、石けん
腐った豆腐を、気取り屋の若旦那に珍味だと持ちかける話。
あらすじ
町内でも金のない若い衆ばかりが集まり、たまには一杯やろうということになりました。酒だけは都合がつきましたが、あいにく肴になるものがありません。
そこで、前の晩に買っておいた豆腐のことを思い出しますが、暑さで傷んですっぱくなっていました。そこへ気取り屋の若旦那が通りかかったので、一同は若旦那を食通だとおだてあげ、この腐った豆腐を差し出します。
若旦那は「これはいったいなんでしょう」と尋ねられた品を、知ったかぶりをして「これは酢豆腐といいます」と答え、「どんどん食べてください」とすすめられます。
若旦那はこう答えました。「いや、酢豆腐は一口に限りやす」
成立と背景
大阪では「ちりとてちん」という題で演じられ、東京でもこの題でつとめる演者がいます。同じ趣向を石けんに置き換えた新作に、先代三遊亭金馬の「石けん」もあります。
原話は、宝暦十三年に大阪で刊行された『軽口太平楽』に収められている「酢豆腐」という小ばなしです。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

