落語の演目

士族の車しぞくのくるま

滑稽噺武士吉原

元武士の車夫が客に威張り、しまいには客に車を引かせる話。

あらすじ

吉原へ向かう途中、車引きに声をかけると「わしはいま落ちぶれて車引きになったが、もとは武士だ」と大仰に名乗ります。驚いて立ち去ろうとすると、「一旦声をかけて乗らぬということがあるか」ととがめられ、仕方なく乗ることになりました。

「話しながらぷらぷら行こう」という車引きに、客が「それは困ります、急いでください」と頼むと、「武士のころ英国の調練をやったから、その号令をかけてくれ」と言い出します。

前進は「小隊前へ進め」、右へ曲がるときは「小隊右へまがれ」と、客はしぶしぶ号令をかけさせられます。車引きは太鼓の口まねをしながら勇み立って行進し、そのはずみで梶棒が持ち上がり、客は何度も振り落とされそうになりました。

結局車引きは「つかれたから今度は君が引いてくれ」といい出し、客に車を引かせて吉原まで行き、そこでいっしょに遊びました。

成立と背景

三遊亭小遊三がこの噺を得意にしていましたが、その後は演じ手がいません。

もともとこの噺にはっきりしたサゲはなく、「今度は君が引いてくれ」で切るとサゲとして収まる形になっています。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ