蜀山人しよくさんじん
別題: 太田直次郎
狂歌師の大田蜀山人にまつわる機転の逸話を並べた話。
あらすじ
大田直次郎、号を南畝、蜀山人、四方赤良などといった狂歌師の逸話を集めた噺です。裏地を買いに行った蜀山人は、一分だと言われ「一分とはあまりあこぎな裏木綿、網のようだぞもっと引け引け」と歌で値切りました。
長州公の前に出たとき、蜀山人はいきなり筆を取って四の字を書き、「お題を頂戴いたしとうございます」と言います。困らせてやろうと長州公が「六歌仙」という題を出すと、即座に筆を取り「四歌仙が小用に立ったそのあとで、小町業平なにかひそひそ」と詠みました。
ある日、赤坂の紀州家に招かれた蜀山人は「色しろく、羽織は黒く裏あかく、御紋あおいで紀伊の殿様」と詠んで、たいそうもてなしを受けます。
その帰り道、人だかりを分けて入ると、足軽が町家の女おかるを無礼討ちにしようとしていました。水をまいていたおかるが、運悪く通りかかった武士のはかまの裾に水をかけてしまったのが理由でした。
蜀山人は「往きかかる来かかる足に水かかる、足軽いかるおかるこわがる」と詠んで、足軽の怒りをなだめました。
成立と背景
特定の結末を持たない逸話集めの噺で、どこで切ってもよい構成になっています。前座から三遊亭長兵衛となった人物が、この噺を得意にしていたといいます。
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- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

