落語の演目

素人車しろうとぐるま

滑稽噺若旦那親子

別題: 素人人力

車引きにあこがれた居候の若旦那が、慣れない手で客を落とす話。

あらすじ

居候の若旦那が、先日の春木座の芝居で音羽屋の車引き役に見とれていた年増の「あんな車引きがいたら、家の財産をみんなやってしまう」ということばを小耳にはさみ、自分も車引きになりたいと思い立ちます。

めくらじまの筒っぽに股引き、腹掛けといういでたちに、客を落としてけがをさせたときの用心にと膏薬まで用意して、車を借りて表へ出ました。

車を引きながら「この様子をこのあいだの年増に見せたいね」とつぶやいては、通りがかりの職人にぶつかって怒鳴られたりしています。そこへ二人連れが通りかかり、一人が「お前と乗ると車できっと落っこちる。このあいだなんぞ六度も落ちた」と止めるのも聞かず、二人で車に乗り込みました。

慣れない手つきであっちへひょろひょろ、こっちへひょろひょろと車を引いていると、仲間の男が通りかかって面白がって車を無茶苦茶に押したり引いたりしたため、とうとう客を落としてしまいます。

若旦那が「おけがをしたらこれをおつけなさい」と差し出すと、客の一人が「おい、こいつもこないだのと同じ役どころだぜ」と言うので、若旦那はあわてて答えました。「いえ、膏薬でございます」

成立と背景

「鼻の円遊」と呼ばれ親しまれた噺家が、この車引きの噺を得意にして、好んでよく高座にかけていたといいます。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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