落語の演目

白井左近しらいさこん

人情噺占い見立て

よく当たる易者の見立ての種明かしをする話。

あらすじ

大雨による増水で、神田川のとある船宿から新造したばかりの船が一艘流されてしまい、行方が分からなくなりました。

辻易者に占ってもらうと「方角は巽の少し高い所だから、台所の隅の棚だろう」という見立てでしたが、まるで見当違いでした。

あきれた船宿の主人が今度は白井左近という易者に頼むと、「失せ物は船だろう。州崎の方の陸の上を探しなさい」と判じます。そのとおり、船はすでに岸のほうへ流れ着いていました。この一件で白井左近の評判が上がり、弟子入りする者も増えていきます。

弟子たちに占いの稽古をつけていたある日、雨が降り出し、向かいの軒下に重箱を抱えた女が雨宿りしているのが見えました。白井左近は弟子たちに「あの重箱の中身を当ててみなさい」と持ちかけます。

弟子が教えを請うと、白井左近は「私の見立てでは桃で、数は二十四だ」と答えました。念のためその女に確かめさせると、まさにその通りでした。

弟子が「どうしてお分かりになったのですか」と尋ねると、白井左近は答えました。「あの女が軒下にかけ込んだとき、ちらりと股が見えた。それで桃と判じた。色が白かったから、四六(しろく)で二十四」

成立と背景

雑誌文芸倶楽部が明治四十二年一月に出した増刊「名人揃」には三代目柳家小さんによる速記が収められており、そのサゲは「白い素のももが見えたからスモモだ」となっています。

もとは「ちきり伊勢屋」という長編の人情噺で導入として語られていた挿話を、これだけで独立した一席へと膨らませたものです。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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