絞り紺屋しぼりこうや
本妻と妾が仲よく働く家で、亭主だけがぶらぶらしている話。
あらすじ
本妻と妾を一つ家に同居させている男がいました。二人はたいそう仲がよく、鳴海の生まれである妾は名産の鳴海絞りを作るのが上手で、本妻もこれに手を貸して稼ぎ、亭主はほとんど働かずに過ごしていました。
知人がこれを見て、女というものは元来気持ちがせまく、内心ではどれほど憎み合っているかわからないものだと忠告します。
むかし加藤左衛門重氏の奥方と側室も仲がよく見えましたが、ある晩すごろくをしながらうたた寝をしたところ、二人の髪の毛が蛇になってからみ合い、火を吐いて争っていたといいます。これを見た重氏は世の無常を感じ、出家して高野山に登り、苅萱上人になったと聞かせました。
これを聞いて気になった亭主が急いで帰ってみると、障子に映った二人の影は連れ立って機を織っている最中で、まるで大蛇のように見えました。
やはり内心では争っているのかと、亭主は障子をあけて反物を引っつかみ、家を飛び出そうとします。
驚いた二人が「ちょいとおまえさん、どこへ行くのさ」と聞くと、亭主は「うん、紺屋(高野)へ行くんだ」と答えました。
成立と背景
「紺屋」は本来「こんや」と読みますが、音便で「こうや」と呼ばれ、高野山の「こうや」と重なるところにサゲの仕掛けがあります。
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- 国立国会図書館サーチ
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- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

