世辞無世辞せじむせじ
愛想のないむきみ屋と口のうまい花屋が、売り声で言い合う話。
あらすじ
「はまぐりのむきみやい、馬鹿のむきみやい」と売り歩く、むきみ売りがいました。仏頂面で愛想はまったくありませんが、品物がよいのでよく売れます。
一方、花屋のほうは愛想がとてもよいので、これもまた飛ぶように売れていました。あるとき、このむきみ売りと花屋が、たまたま往来で行き会います。
花屋が「もう少し愛想を言ったほうが得だ」と持ちかけると、むきみ売りは「おれには愛想は言えねえ。だいたいおまえは、昼間は花を安く売って家の造りなどを見ておき、夜には泥棒に入っているんだろう」とやり返しました。
怒った花屋は、隠し持っていた仕込み杖で切りかかり、そのまま捕り方につかまってしまいます。往来の人が、なぜ二人がけんかになったのかとむきみ売りに尋ねました。
むきみ売りは天秤棒を肩に当てて、こう言いました。「花屋の盗みやい、馬鹿の盗みやい」
成立と背景
この噺は円遊が高座にかけただけで、ほかに演じ手がなく、円遊自身の作とみられています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

