悟りつんぼさとりつんぼ
耳の遠い相手に身振りで答え続け、最後に音で通じる話。
あらすじ
大工が仕事をしていると、耳の遠い男がやって来て話しかけてきます。「この木は何だ」と聞かれて「ケヤキだ」と答えましたが、声が届かず伝わりません。
そこで大工がたき火に毛をくべると、燃える匂いが漂います。それをかいだ耳の遠い男は、勝手に納得した様子で「ああ、ケヤキか」とうなずきました。
続けて「この仕事はいつから始めているのか」とたずねられた大工が、道具の差しがねを体の後ろに挟んで見せると、男はまた自分なりに答えを得た顔でうなずきます。
「この木は誰から買ったのか」と聞かれ、大工が「武助から」と答えても伝わりません。そこで尻をまくってプーッとやって見せると、男は満足げに言いました。「ああ、ヘースケから買うたか」
成立と背景
上方に伝わる噺です。最後の答えを、音ではなくにおいで悟るところがサゲの工夫になっています。似た趣向の小ばなしが津軽地方にも伝わっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

