三百植木さんびゃくうえき
植木屋になりすまして市へ行った建具屋が、木の名も符牒も知らずに困る話。
あらすじ
隠居が庭に木を一本植えたいと思っていましたが、出入りの植木屋は所用で来られません。そこへやってきた建具屋が「あっしが買ってきてあげましょう」と、植木屋になりすまして市に出かけます。
ところが木の名前も符丁もろくに知らないため、値段を聞くと「キョウゴク」という符丁で返され、「京極は大名で高いから、旗本の近藤に負けろ。負けなきゃ買わねえ」と言い捨てて帰ってきてしまいました。
そのあとへ、今度は武士がやって来ます。オモトを買おうと値段を聞くと「ちょうどです」と言われ、「ちょうどとは」「百です」「うーん、百をちょうどと申すか」というやり取りになりました。
植木屋が武士の年齢を実際より若く三十四、五と見立てて喜ばせると、武士は「今度は拙者がおまえの年を当てよう。そのつらがまえでは二十五か六か七か八か九か」と言い出します。
植木屋は答えました。「いえ、こう見えてもちょうどです」「百か」「いえ、三つにちょうどですよ」「いやあ、三百には若い男だ」
成立と背景
最初に登場した建具屋がいつの間にか話から消え、それとは関わりのない植木屋と武士とのやり取りでサゲになる、変わった構成の噺です。今日では林家正蔵が演じるくらいのものです。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

