さくら鯛さくらだい
何度もおかわりを求める殿様に、三太夫が同じ鯛を裏返して出す話。
あらすじ
殿様が食事の膳につき、鯛の塩焼きが出されました。日ごろからぜいたくな暮らしをしているため、一口箸をつけただけで「代わりを持て」と言いつけるのが常でした。
給仕役の三太夫は、代わりに出す鯛の持ち合わせがなく困ってしまいます。そこで「殿様、お庭のサクラがきれいに咲きました」と声をかけ、殿様が庭の桜に見とれているすきに、素早く同じ鯛をひっくり返して差し出しました。
殿様はまた一口箸をつけただけで「代わりを持て」と言いつけます。三太夫がまた裏返すわけにもいかず困っていると、殿様は「またサクラを見ようか」と言いました。
成立と背景
この一席だけで演じることもあれば、長い噺の枕として使うこともあります。庭の桜の代わりに、月見にかけて演じる型もあります。
原話は、正徳二年に出た『笑眉』の中の「松によする鯛」と、安永二年に出た『口拍子』の中の「鯛の焼物」です。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

