理屈按摩りくつあんま
理屈屋の男のところへ、輪をかけた理屈屋の按摩が来る話。
あらすじ
太郎兵衛という男は、何を言われても理屈を返すくせがありました。「おはよう」と言われれば「朝は早いに決まっているわい」と返す調子で、長屋の連中は誰も相手にしません。
ある日、按摩が訪ねてきたので、太郎兵衛は呼び込んでもんでもらうことにしました。ところがこの按摩は「理屈按摩」を名乗るほどの理屈好きで、二人は理屈の言い合いを始めます。
按摩が「わたしは丁半町の生まれで、名前をちょぼ市といいます」と名乗ると、太郎兵衛は「なるほど、名前も理屈だ。もっと前をやってくれ」と言い、按摩が頭を前に出したところをげんこでこつんとやりました。
按摩が「何をしなさるんや」と聞くと、太郎兵衛は「ちょぼ市を振ったのが悪いか」と答えます。按摩は「痛い理屈やなあ」と言いながら、今度は太郎兵衛の頭をこつんとやり返しました。
太郎兵衛が「あいた、なんで頭を張りやがった」と怒ると、按摩はこう答えました。「明き目張るのに、こごとがあるかい」
成立と背景
サゲは博打の用語を利用したものです。ちょぼ市はサイコロを一つだけ使う博打「チョボ一」に、明き目は誰も賭けていないサイの目「空き目」にかけています。上方に伝わる噺です。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

