おすわどんおすわどん
別題: おすわ
本妻を死に追いやった妾が、毎晩表から呼ばわる声におびえる話。
あらすじ
気性の悪いおすわという女を妾に持った旦那が、できのよい本妻おあきのすすめでおすわを本宅に迎え入れました。ところがおすわにいじめ抜かれたおあきは井戸に身を投げて命を絶ち、おすわはこれを幸いとばかりにその後釜に収まります。
ところが夜寝ようとするたび、表から「バタバタ、おすわどーん」という声が聞こえるようになります。すっかり怖がるおすわのために、町内の剣術指南が正体を見届けようと待ち構えることになりました。
「おすわどーん」という呼び声が聞こえた次の瞬間、表へ飛び出してみると、そこにいたのはそば屋が荷を下ろしている姿だけです。「おそばうどーん」という売り声が「おすわどーん」と聞こえていただけでした。
剣術指南はそば屋に向かって、お前が毎晩あんな声で怒鳴るせいで病人まで出た、今夜見張りをした申し開きをきちんと立てねばならないから、その首を切ると厳しく凄んでみせました。
そば屋は驚き、身代わりを差し出すからとそば粉を差し出しました。「そばの子だから私のせがれです」と言うので、剣術指南はふざけるな、そば粉が身代わりになるものかと呆れます。そば屋はこう答えました。「お手打ちになさいまし」
成立と背景
上方の演じ方では、おすわが本妻おあきに言いがかりをつける場面のほうがずっと長く演じられ、そのかわりに「おそばうどーん」の一言だけであっさりサゲとなる型が伝わっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

