お七の十おしちのじゅう
別題: お七、八百屋お七、お七の幽霊
火で死んだお七と水で死んだ吉三が地獄で抱き合い、音を落ちに使う話。
あらすじ
八百屋お七が、小姓の吉三に会いたい一心で火をつけ、鈴ヶ森で火あぶりになりました。それを聞いた吉三は、この世に残っていても張り合いがないと言い、吾妻橋から身を投げます。
地獄で二人が出会い、お七か、吉三さんかと言って抱きついたとたん、じゅうと音が立ちました。お七は火で死に、吉三は水で死んだので、火と水が合わさってじゅう。女がお七、男が吉三で、七に三を足して十でもあります。
そのうちお七の霊が浮かばれず、毎晩鈴ヶ森に幽霊となって出るようになりました。通りかかった武士が、恨みを受ける覚えはないと言って、幽霊の両腕と片足を切り落とします。
お七の幽霊はかなわないと一本足で逃げ出しました。武士が、その方一本足でいずこへ参ると声をかけると、「片足や本郷へ行くわいな」。
成立と背景
「お七の十」という題は、火の用心で落とす「お七」と区別するためのものです。五代目三遊亭円生も柳亭痴楽も「お七」の題で演じています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

