音曲質屋おんぎょくしちゃ
音曲を質草にとる質屋で、客が次々に持ち込んでは断られる話。
あらすじ
音曲にまつわる品を質草として預かる、少し変わった質屋があり、たいそう繁盛しています。そこへある客がやって来て「義太夫の本朝廿四孝を質に入れたい」と持ちかけました。
番頭は「そのような古い演目では、うちでも扱いに困ります」と渋りますが、客は「外題は廿四孝でも、噺家の名前を織り込んでこしらえたものだ」と説明し、一円貸してほしいと頼み込みます。
番頭も趣向の変わった品だからとおもしろがって預かることにし、客は店先で三味線とばちを借り受け、そこで早速、噺家の名前尽くしにこしらえた義太夫を朗々と語り始めました。
語りの途中で役者の声色をまじえると、番頭がすかさず「声色はいけません」ととがめます。客が理由を尋ねると、番頭はこう答えました。「声色はもともと人の芸を盗んだものですから、それを預かりますと、手前どもまで弾き合いを食いますので」
成立と背景
この噺のサゲは、三味線を「弾く」ということばと、まきぞえを意味する「引き合い」ということばの響きを重ね合わせた、音曲質屋という舞台ならではのしゃれになっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

