王子の幇間おうじのたいこ
陰日向のある幇間が出入り先で騒ぎを起こし、次々に叱られる話。
あらすじ
神田の平助という幇間は、人によって態度を変えるので嫌われ者になっています。ある大家へ来ると、旦那はいやがって奥へ隠れてしまいました。
平助は女中に悪口を言い、出入りの鳶頭の内緒ごとを言いふらし、権助に悪口を言って殴られ、子供をあやしては泣かせと、さんざん騒ぎを起こしたあげく、奥へ入ってきます。
奥さんに旦那は留守だと言われると、旦那が芸者を連れ込んで後妻に直そうとしているとか、盗みを働いたとか、殺されそうになったとか、口から出まかせの告げ口を並べました。
奥さんは、それなら自分と駆け落ちしてくれと言って平助につづらを背負わせ、両手にやかんと火鉢を持たせます。本当に自分を好きかどうか分からないからと言って打ちすえたうえで、旦那を呼び出しました。
奥から出てきた旦那が、なんだそのざまはと言うと、「へえ、御近火のお手伝いに来ました」「どこにも火事はないじゃないか」「今度あるまで背負っております」。
成立と背景
三代目三遊亭円遊の作といわれます。神田の平助なのに王子の名が付いているのは、平助が旦那に江戸のあちこちを連れ回されたうえ、王子権現で百度参りをさせられるという別の噺があるためと考えられます。今は王子の平助として演じられます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

