落語の演目

能狂言のうきょうげん

滑稽噺上方落語が原話江戸

別題: 但馬の殿様、お能狂言、能芝居

能狂言を知らない国で、江戸から来た二人が芝居を仕立てる話。

あらすじ

国もとに帰った殿様は、江戸で見た能狂言がおもしろかったので、家老に申しつけて、五月五日の節句にやらせることにしました。ところが、家中には能狂言を知る者がだれもいません。

そこで家老は「能狂言なるものを知る者は城内へ申し出よ。褒美は望み次第つかわす」という立て札を、城下のあちこちに立てさせました。

江戸から来ていた二人連れがこれを見て、たいしたものではないと話していたところを見とがめられ、城内へ連れて行かれてしまいます。

能狂言を教えろと言われた二人はろくに知らないまま大弱りし、忠臣蔵の五段目を教えることにしました。定九郎が与市兵衛を斬って引っ込む場面になっても、能舞台には芝居のような幕がありません。

幕を引くきっかけがつかめないお囃子の一同も困り果て、斬られて倒れたままでいた与市兵衛はとうとうたまらなくなって頭を持ち上げました。

そしてこう言いました。「憎き定九郎かな。やるまいぞ、やるまいぞ」

成立と背景

上方ばなしで、もとは桑名を舞台にした噺でしたが、曽我廼家が『但馬の殿様』と題して喜劇に仕立てたことから、但馬国の話として広まりました。三代目圓馬も東京で同じ題で演じ、今は桂米朝が高座にかけています。

サゲは、能の言葉「やるまいぞ」に、してはいけないという意味を掛けたものになっています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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