にせ学者にせがくしゃ
学者を気取って見舞いに行った二人が、慣れない言い回しを並べる話。
あらすじ
横町の先生が病気になります。若い奥さんをもらったせいで無理をしたのだろうと、熊さんと八っつぁんが見舞いに行くことになりました。
どうせ行くなら学者らしく見せようと、二人は別の名を名乗り、互いを気取った呼び方で呼び合いながら、反り身になって出かけて行きます。
道中では長屋の頭に出くわしてからかわれたりしながらも、横町の先生の家にたどり着きます。先生が「近くへ寄れ」という意味で「身近う、身近う」と言うのを、二人は羽織が短いと言われたと勘違いしました。
先生が突然、堅苦しい言い回しで見舞いの礼を述べると、二人には意味がさっぱりわかりません。それでも学者ぶって来た手前、熊さんと八っつぁんも負けじと難しげな言葉を並べて返します。
先生は肩で息をしながら、こう言いました。「ああ、少ないかな、仁」
成立と背景
大正時代、桂才賀から名を改めた桂文鶴が演じました。サゲは「惜しいかな」を「少ないかな」に掛けた洒落です。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

