人参かたりにんじんかたり
別題: 人参代
言葉巧みに薬代をだまし取ろうとした男が、逆に医者を慌てさせる話。
あらすじ
両国薬研堀で医者を営む二宮のもとへ、身なりのよい若い男が訪ねてきました。本町のいわし屋という薬種問屋の使いだと名乗り、店の仲間が人参を届けた先で人参を奪われて逆上し、気がふれてしまったので診てほしいと頼みます。
二宮が、それならつれて来なさいと答えると、男は今度はいわし屋の店先へ回り、薬研堀の二宮から来た、代金はすぐ払うから人参を持って一緒に来てくれと若い衆に告げます。
二宮の玄関先まで来たところで、男は若い衆から人参を受け取り、ちょっと待つように言い残して奥へ入ります。二宮には病人を連れてきたと告げ、若い衆には奥で先生から代金を受け取るように言い残して、そのまま人参を持って姿を消してしまいました。
二宮は、いわし屋の若い衆を気がふれた本人だと思い込んでなだめていましたが、人参の代金を求める書き付けを見せられてわけを知り、それはけしからんとうろたえ始めます。
驚いた若い衆はこう言いました。「先生、あなた少し気が変ですぜ」
成立と背景
三代目春風亭柳枝、通称蔵前の柳枝が演じた噺です。人情噺の一部であるかのような趣もあります。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

