若荷屋みょうがや
別題: 若荷宿、若荷宿屋
百両を預かった宿の亭主が、出来心を起こしかける話。
あらすじ
神奈川の宿場に、ある料理屋がありました。一人娘に婿をとりましたが、婿が道楽で身代をつぶしてしまい、仕方なく宿屋に商売替えをします。
婿は宿の亭主になってからも怠けてぶらぶらしていたため、家は荒れ果て、泊まり客もつかなくなっていました。それでも昔からのなじみである飛脚屋だけは、変わらず宿を利用していました。
ある日、飛脚屋は百両もの大金を帳場に預けて泊まりました。金に困っていた亭主はこの百両に目がくらみ、寝入っている飛脚屋ののどを出刃庖丁で突こうとします。
そのとき女房が、乳をげんこつで突かれる夢を見て目を覚ましました。亭主から出来心の一部始終を聞かされた女房は、この宿の屋号がミョウガにちなんでいることを思い出します。
ミョウガを食べると物忘れをしやすくなるという言い伝えにあやかり、夫婦は「今日は先祖からの家例でミョウガばかり食べる日だから」と言って、飛脚屋にミョウガ尽くしの膳を出すことにしました。
翌朝、飛脚屋は百両を忘れたまま宿を発ちましたが、途中で気づいて引き返してきます。がっかりした夫婦に、飛脚屋はこう告げました。「昨晩の旅籠賃を払うのを忘れて行った」
成立と背景
原話は江戸の小ばなしで、安永二年発行の『聞上手』に収められている話がもとになっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
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- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

