落語の演目

無筆の女房むひつのにょうぼう

滑稽噺夫婦女房

別題: あり

字の読めない夫婦が、看板の文字をめぐって言い合う話。

あらすじ

「無筆でも読めるたばこ屋ローソク届」という古い川柳があります。たばこ屋の腰障子にはたばこの葉を使ってダルマの絵などが描かれ、ローソク屋はローソクの絵に「あり」の文字を添えて、字の読めない者にも品物がわかるようにしていました。

蔵前の裕福な旦那衆にかわいがられていた白露という男は、家を留守にしがちになり、女房にやきもちを焼かれて離縁を迫られます。

白露は女房が無筆であるのをよいことに、それらしい文句を書きつらねた紙を仲人に持たせてやりました。仲人はこれを、機嫌をとってやってほしいという意味だと察し、女房に言い聞かせて元のさやにおさめさせます。

はじをかいた女房は、近所の子どもたちにいろはを一字ずつ教わって字を覚えていきました。白露がひと月ほど家を空けて戻ると、女房が小づかい帳をつけています。

帳面には「あり、十二文」と記されていました。白露が「なんだい、このありというのは」と尋ねると、女房はこう切り返しました。「おまえさん、そのくらいの字が読めないのかえ、ローソクという字じゃないか」

成立と背景

この噺は「あり」の題でも呼ばれています。ローソク屋の看板に書かれていた「あり」の文字が、女房が最後に読み違える言葉と重なることにちなんだ別題です。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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