落語の演目

松医者まついしゃ

滑稽噺医者江戸

別題: 拝領の松

枯れかけた拝領の松を、植木屋がすり替えて切り抜ける話。

あらすじ

ある家老の顔色がすぐれない日が続いていました。出入りの植木屋が心配して事情を尋ねると、家老は重い口を開いて話し始めます。

父の代に大殿から拝領した松があり、これを枯らせば拝領した者を罰するとの言葉が添えられていました。ところがその松は七、八日前から赤い葉が目立つようになっていたのです。もし松が枯れれば切腹しなければならないと、家老は打ち明けました。

植木屋は松の療治を任せてほしいと申し出て、いったん持ち帰ります。あちこちの植木屋を探し回り、よく似た松を見つけ出すと、元の鉢に植え替えて屋敷へ持参しました。

植木屋は「松の療治ができました」と告げます。家老は赤い葉がすっかりなくなっているのを見て喜び、礼金として五十金を渡そうとしました。

家老は鉢を眺めながら、五十金どころか百金でもよいがと言い出し、こう続けます。「残念ながら、この松に余病が出た。この余病を治してくれたらすぐに百金つかわす」植木屋が余病とは何かと尋ねると、家老はこう答えました。「気(木)が違った」

成立と背景

上方では「松医者」という中ネタとして親しまれています。東京では初代の円左が「拝領の松」という題でこれを演じていました。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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