枕屋まくらや
別題: 枕売り
屋敷に呼び込まれた枕売りが、役者の声色まで求められる話。
あらすじ
「枕屋でござい」と町を売り歩いていた枕売りが、あるお屋敷の中から呼び込まれ、お姫様や女中たちが控える座敷の前へと連れて行かれました。
何でもお好みの枕がありますと言うと、歌舞伎役者の柄はあるかと尋ねられます。枕売りは役者の紋がついた枕を次々と取り出しながら、役者の声色まで披露してみせました。
御老女からは古い役者のことばかり尋ねられて閉口しましたが、枕は次々と売れていきます。枕売りが商売の首尾に喜んでいると、奥からたすきがけに股立ちを取った侍が現れました。
侍は枕売りをにらみつけて、こう言い放ちました。「枕屋、そこを動くな不義者」枕売りは何が何やらわからず、そんな覚えはございませんと言い返しました。
侍はさらに詰め寄ります。「黙れ、そちゃ姫に枕を交わしたであろう」
成立と背景
初代円右、初代円歌が得意にしていた演目です。上方では「枕売り」と呼ばれ、原話は安永二年に江戸で出た『聞上手』所収の「枕売」とされています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

