きゃいのうきゃいのう
別題: 団子兵衛
かつらに詰めた新聞紙から煙が出て、舞台の上で役者が難儀する話。
あらすじ
左団次の弟子で二団次という下積みの役者が、長らく待ってようやく人間らしい役をもらいました。ところが床山に「かつらがないからだめだよ」とすげなく言われてしまいます。
「今日は親父とおふくろが桟敷で見ていますから」と頼み込み、大きめのかつらをありあわせで見つくろってもらい、その中に新聞紙を詰め込んでかぶせてもらいました。たばこの吸いがらが混じっていることに、誰も気づきません。
楽屋で「おまえ腰元になるんだって、せりふが言えるのかい」と聞かれた二団次は、「腰元三人が庭に出ていますと、乞食が来るんです。一番目の腰元がむさくるしいと言います。二番目の腰元が、とっとと外へ行けまで言いますと、わたしが、きゃいのうと言います」と答えます。
いざ舞台に出ると、かつらの下から黄色い煙が立ちのぼりはじめました。「むさくるしい」「とっとと外へ行け」と台詞が進むうち、二団次はこらえきれずにこう言ってしまいました。「うーん、あついのう」
成立と背景
「団子兵衛」という題で演じられることもありますが、「団子兵衛」には別の筋の噺があり、本来はまったく別の一編です。柳家金語楼が初めて手がけた作品と伝えられています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

