鍬烏くわがらす
鍬を教えてくれた烏と、餌をねだる鶏を引き比べる短い話。
あらすじ
ある百姓が畑仕事を終えて鍬を置き忘れたまま帰りかけると、それに気づいたカラスが「クワ、クワ」と鳴いて教えてくれました。百姓はカラスに礼を言って、鍬を取りに畑まで引き返します。
家に帰ってくると、飼っているニワトリが「クウ、クウクウクウ」と鳴いて寄って来ました。百姓は「これ、カラスにはえさをやったことがないのに、鍬を忘れて帰りかけたらクワ、クワと教えてくれたぞ。おまえはえさばかりほしがって」と文句を言います。
すると、それまで黙って聞いていたニワトリが、負けじとばかりに「トッテコーカー」と甲高く鳴き返してきました。百姓はあきれた顔つきで、こう言い返しました。「もう遅いわい」
成立と背景
ニワトリの鳴き声である「トッテコーカー」が、「取ってこようか」ということばの響きに重なるように仕組まれたしゃれが、この噺のサゲになっています。もとは上方に伝わる小ばなしです。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

