廓の穴くるわのあな
吉原をひやかしに来る客たちのようすを、次々に描き分けていく話。
あらすじ
吉原をひやかしに訪れる客たちの姿を、次々に描いていく話です。羅生門河岸には、器量こそ整わないものの腕力の強い女がいて、それをからかいに来る男がたびたび姿を見せていました。
しつこくからかわれて悔しくなった女は、若い衆と示し合わせ、一服いかがですかとキセルを差し出します。男が油断してキセルに手を伸ばしたところを、女はその手をつかんでぐいと引っ張り上げてしまいました。
続いて登場するのは田舎から出て来た客です。花魁の身の上話を聞いて、もらい泣きするように涙をこぼします。困った店の者が、一円あれば遊べますよと持ちかけると、田舎者は驚きます。「なにかい、一円で女の子がままになるのかい。銭は調法なもんだねえ」
「さようで、ひとつお上がりを願いましょう」と誘われても、田舎者は乗りません。「いやあ、銭のほうが尊いだ。頂いて帰りますべえ」と言って、もらった一円を懐にしまい込んでしまいます。
成立と背景
寄席で本題に入る前の枕として語られる話で、独立したサゲは付いていません。次々に現れる客の姿を描き分けていく構成で、五代目三遊亭円生が得意にしていた演目と伝えられます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

