小粒こつぶ
体の小さい男が仁王に願をかけ、背が伸びたと思い込む話。
あらすじ
体がひどく小さい男がいて、顔を合わせるたびに友だちから小さい小さいとからかわれるのが、悔しくてたまりませんでした。そこで芝山の仁王尊にひそかに願をかけることにします。
その晩、ぐっすり寝ている枕もとに仁王尊がすっと現れて、「汝信心の威徳によって身の丈を一寸ほどのばしてとらせる」と告げたところで、はっと目が覚めました。夢だったのかと男は首をかしげます。
ほんとうかしらんとぐいと足をのばしてみると、ふとんから足が三寸ほどはみ出しています。ありがたいと勢いよくはね起きてみると、幅の狭い三布ぶとんを横向きにかぶって寝ていただけでした。
成立と背景
この噺のサゲの仕掛けは、別の演目である「鍬潟」で使われているものとまったく同じです。この噺は先代の小勝が得意な演目として演じていました。二つの噺は同じ発想から生まれたと考えられます。
この噺の原話は、安永六年に出版された「新撰噺番組」という本に収められている、「一升入壺は一升」という短い話だったとされています。江戸時代の笑話集にまでさかのぼれる噺です。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

