腰布こしぬの
側女を選ぶ試しに、一人だけ濡れていない女が名乗り出るバレ噺。
あらすじ
ある殿様の顔色がすぐれず、日に日にやせ細っていくのは、女性との関わりが過ぎるせいだろうということになり、側女をまったく色気を感じさせない女に入れ替えることになったのです。
その人選のため、二十人ほどの候補者を集め、腰布一枚だけをまとった姿ですわらせて、馬が交わる様子を見せました。終わったあとに一人ずつ布をあらためると、ほとんどの女がぬれていましたが、ただ一人だけぬれていない女がいます。
「殿のお側女は、そなた以外にない」と告げられた女は、「いえ、だめです」と辞退します。「そなたはぬれていないではないか」と重ねて問われると、女はこう答えました。「いえ、二枚目です」
成立と背景
サゲにはもう一つ別の型が伝わっていて、「いえ、もうとうにかわいてしまいました」と、その女がとぼけて答える演じ方も、あわせて伝えられています。演者によって型が使い分けられています。
この噺は、同じ発想を使ってつくられた「鈴振り」という別の演目の、いわば女性版にあたる話だといわれていて、対になる存在の噺だとされています。両方を聞き比べる楽しみ方もできます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

