これこれ博打これこればくち
別題: これこれ
賭場から逃げた二人が、神主の前で身振りだけの言い訳をする話。
あらすじ
伊勢参りの二人連れが宿に泊まっていると、雨が降り出しました。集まった泊まり客が博打を始めたので、二人も仲間に加わりますが、すっかり負けて襦袢一枚にされてしまいます。
そこへ手入れが入って大騒ぎになり、そのすきに二人は宿を飛び出して明神様へ逃げ込みました。ちょうど祭礼の日で神主がやってくると、一人は鏡餅を、もう一人はお神酒徳利を抱えて「神さんじゃ、神さんじゃ」と叫びながら飛び出します。
神主が目を回しているすきに、二人は境内に並んだ祭礼の屋台から、寿司やあんころ餅、酒などを次々に飲み食いしながら、まんまと逃げていきました。
そのまま庄屋の家に駆け込み、「今しがた盗人に遭い、襦袢一枚にされました」と偽って、ここでもごちそうにあずかります。ちょうどそこへ、神様が暴れ出したので来てほしいという知らせが届きました。
話を聞いた庄屋は、二人に向かって「神様が襦袢一枚で暴れ出したというが、お前さん方も襦袢一枚でよく似ている。おおかたこれこれの仕業であろう」と言いながら、手を挙げて狐のまねをしてみせました。二人は同じ「これこれ」でもさいころを振るまねをしながら、こう返しました。「いいえ、これこれの仕業です」
成立と背景
上方に伝わる話で、曽呂利新左衛門の作という書物に収められていますが、近年ではほとんど演じられません。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

