木挽茶屋こびきぢゃや
身分を偽って廓へ上がった四人が、それぞれの言葉遣いから正体を見破られる話。
あらすじ
材木問屋の旦那が、木挽き職人を供に連れて廓へ出かけました。道すがら八百屋の主人と、寺の和尚に行き合い、一緒に登楼することになります。ただそのまま行っては面白くないと、めいめい別の商売を名乗ることにしました。
木挽きは呉服屋の旦那、八百屋は薬種屋の旦那、和尚は医者ということにして座敷に上がります。ところが呉服屋役は緋絹と樅の木を取り違え、薬種屋役は薬用の人参と野菜の人参を混同するなど、すぐにぼろを出してしまいました。
最後に残った医者役の和尚へ「本道ですか、外科ですか」と専門を尋ねる声がかかりました。折悪しく火事で寺を焼かれたばかりだった和尚は、思わずこう答えてしまいます。「本堂も玄関も焼けまして、いまは仮住まいでございます」
成立と背景
上方に伝わる話です。上方では玄関を「ゲンカ」と発音し、外科ということばと近い響きになります。本道とは漢方医学で内科を指すことばで、この二つの発音の近さが、和尚の答えのしゃれになっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

