落語の演目

鬼門風呂きもんぶろ

滑稽噺夫婦大家

別題: 姓名学

姓名の字が悪いと言われた夫婦に、風呂場を引き合いに出す話。

あらすじ

車夫の音造が、大家のところへいつものように毎月の家賃を持ってきました。最近、女房のおさきとまったく夫婦げんかをしなくなったが、何かわけでもあるのかと聞かれます。

以前は夫婦げんかが絶えなかったので、姓名学に凝っている人に見てもらったところ、「門仲音造」という名がよくない、門の中に音と書くと「闇」になってしまうと言われました。女房の「門中さき」という名も、門の中を裂く形になるのでよくないといいます。

そこで、喜びを呼び込むよう喜三郎、喜久とそれぞれ改名したところ、夫婦げんかがぴたりとやみました。それ以来、音造あらため喜三郎は易学にも凝るようになったのだと説明します。

「昔から鬼門金神は恐ろしいというからな」と喜三郎に言われた大家は、「実は裏に風呂場を建てたのだが、建ててから調べると、そこが鬼門にあたっていて弱っている。何かよい工夫はないか」と相談を持ちかけました。

喜三郎は自信ありげに「風呂場でしたら大丈夫でございます」と答えます。大家が「どうしてだ」と重ねて尋ねると、こう答えました。「風呂へ入るときは、みんな着物を脱ぎますから」

成立と背景

大正時代になってできた噺と考えられており、橘ノ円都がこれを演じていました。落ちは「着物」を脱ぐことと「鬼門」ということばを、音の響きで重ねたしゃれになっています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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