落語の演目

袈裟御前けさごつせん

地噺親子食べ物

言い寄られた袈裟御前が身代わりに立ち、盛遠が過ちに気づく話。

あらすじ

遠藤武者盛遠という武士が、すでに人妻となっていた袈裟御前に強く恋い焦がれてしまいます。盛遠は袈裟御前に「自分の心に従わなければ、おまえの母を殺すぞ」と脅しつけました。

袈裟御前は、夫のある身で他の男の言うことを聞くわけにはいかないと思う一方、拒めば母が殺されてしまうと苦しみます。思い悩んだすえ、自分が身代わりとなって死ぬしかないと心を決めました。

袈裟御前は盛遠に「夫の渡辺亘を、今夜八つの鐘を合図に討ってください。夫がいなくなったあとは、あなたのお心に従いましょう」と持ちかけ、庭口から忍び込むよう約束します。

その晩、袈裟御前は夫を自分の寝所で休ませ、自分は夫の身代わりとして夫の部屋で寝ました。盛遠は約束どおり忍び込み、えいっと相手の首を切り落として外へ持ち出します。

外はまっ暗でした。男の首にしては毛が多く軽いといぶかしみ、その切り口に盛遠がそっと指を触れてみると、指先にべっとりと飯粒がついていました。「あっ、けさのごぜんであったか」

成立と背景

最後の「けさのごぜん」という一言に、袈裟御前という名前と今朝の御膳ということばを重ねるしゃれが仕込まれています。会話よりも語りで聞かせる地ばなしの典型とされる一席です。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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