落語の演目

風の神かぜのかみ

滑稽噺義太夫

風邪の神が子分たちに、人の体に入って熱を出させる手順を教える話。

あらすじ

風の神と呼ばれる存在の正体は、実は風邪の神様でした。大勢の子分たちに「人の肩をさわってみて、こっていたら風邪を引かせられる。すきをみて鼻の穴からもぐり込めば、温かい部屋があり、これを熱袋という」と教えます。

「そこに座って前を見ると、三本の筋が下がっている。一本目を引けばくしゃみが、二本目を引けばせきが出て、三本目を引けば熱が上がる。こうなればりっぱな風邪引きだから、なるべく長逗留してこい」と言って送り出しました。

夜遅くになって、新米の子分が帰って来ます。「どうした」と尋ねられ、新米は義太夫の師匠の家に入り込んだいきさつを話し始めました。

師匠の亭主が酒を飲んでいて肩がひどくこっていたので、さっそく鼻の穴からもぐり込んで三本の筋を引っぱると、亭主は風邪を引いたらしいと騒ぎ出したといいます。

師匠は慌てず、お気に入りの演目を思いきり語れば治ると請け合って三味線を弾き始め、亭主は「和歌の浦には名所がござある」とやり出しました。風の神の親分はこれを聞いて、「それは『柳』という義太夫だ」と言います。

「それでつい外へ出てしまい、もう一度もぐり込むこともできずに帰ってまいりました」と新米が言うと、親分は「なぜもっとねばらなかったんだ」としかりました。新米はこう答えました。「カゼに柳では逆らえません」

成立と背景

唄や鳴り物を得意とする音曲師向けに作られた噺で、三遊亭万橘が演じていたと伝わっています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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