通いとんびかよいとんび
通い帳を鳶に取られた男が、油屋に妙な頼みをする短い話。
あらすじ
ある男が、行きつけの油屋の通い帳を大事そうに手に持って、のんびりと表通りを歩いていました。この帳面さえ見せれば、現金がなくても品物を売ってもらえる仕組みになっています。
ところが、そこへ突然、頭上から一羽のトンビが不意に舞い降りてきて、あっという間に男の手からその通い帳をひったくると、そのまま空高くひらりと飛び去ってしまいました。
すっかり慌てふためいた男は、通い帳を失ったままの足で、そのまま油屋にまで一目散に駆け込み、息を切らしながら大声でこう頼み込みました。「トンビが来ても売らんように」
成立と背景
上方の小咄です。当時は得意先が通い帳を見せさえすれば、現金を持たずとも品物を掛けで買うことができました。この昔ながらの仕組みがあったからこそ成り立つ落ちだといえます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

