落語の演目

かつぎやかつぎや

滑稽噺奉公言い立て奉公人正月の噺

別題: 正月丁稚、かつぎや五兵衛

御幣かつぎの主人の家で、奉公人が正月からめでたい言い立てを競う話。

あらすじ

呉服屋の五兵衛は大変な御幣かつぎでした。正月に一同でぞうにを祝っていると、番頭が「旦那様、餅の中からくぎが出てまいりました。餅の中から金が出るとは、この家がますます裕福になるしるしでございます」と告げ、五兵衛は大喜びします。

ところが奉公人の権助が「金の中から餅が出るなら金持ちになりますが、餅の中から金が出るようじゃ、この家の身上は持ちませんで」と口を挟み、五兵衛はたちまち渋い顔になりました。

年始の帳面を整理させながら、小僧の長吉には屋号と名前を最初の一文字だけ読ませたところ、「てんかん」「あぷく」「しぶと」「ゆかん」と、縁起の悪そうな名前ばかりが続けて飛び出します。

そこへ棺桶を商う早桶屋の友人が訪ねて来て、あれこれと不吉な話ばかりを並べ立てるので、御幣かつぎの五兵衛は正月早々すっかりふさぎ込んでしまいました。

正月二日の夕暮れ、宝船を売り歩く行商人が訪れました。番頭が縁起のよいことを言ってくれと頼むと、行商人は五兵衛の家をほめちぎったので、すっかり機嫌をよくした五兵衛は一杯ふるまってやりました。

行商人は、娘を生きた弁天様、旦那を生きた大黒様とほめ、このお宅には七福神が残らず集まっていると持ち上げます。「ちょっと待て、私は大黒、娘は弁天で、これでは二福ではないか」

行商人はこう答えました。「でもこちらの御商売が呉服でございます」

成立と背景

禽語楼小さんは「かつぎや五兵衛」と題してこの噺を演じていましたが、のちに単に「かつぎや」と呼ばれるようになりました。

サゲは、商いの品である呉服と、七福神のうち大黒と弁天の二福を除いた残り五福を表す五福とをかけた地口になっています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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