落語の演目

からくり屋からくりや

滑稽噺女房

親方の娘と駆け落ちした男が、伯父を頼って詫びを入れてもらう話。

あらすじ

親方の娘であるおつると、いつしか深い仲になっていた仙公は、そのことが知れたせいか、仕事が暇なうえに大食いだからという理由をつけられて、暇を出されてしまいました。

おつるがどうしても一緒に連れて行ってほしいと涙ながらに頼むので、夕方二人でこっそり家を出ましたが、これといって頼れるあてもなく、すっかり途方に暮れてしまいます。

仕方なく、四谷の鮫ケ橋でからくり見世物を商売にしている伯父の定次郎のもとを二人そろって頼ることにし、その晩はそのまま転がり込んで一晩泊めてもらうことになりました。

定次郎は自分がうまく話をつけてやると請け合い、翌朝親方のもとへ出向いて、からくり節の調子に乗せてこう掛け合います。「こちらの娘さんを仙の野郎の嫁にくださるか、それともむこにとってくださるか、二つに一つのごあいさつを承わりにまいりました」

親方もからくり節の調子で応じ、「あの野郎は大飯を食いますから、むこにはとれませんよ」「むこにとってくださいな」「いえ、むこにはとれませんよ」とやり取りが続きます。

そばで一部始終のやり取りを聞いていたおかみさんが、たまりかねて横から割って入り、おはちをぐいと突き出しながら、笑顔でこう言いました。「はい、せんさんはおかわり」

成立と背景

落ちの文句は、もとはからくり節の一節が元になっていました。当時人気だったのぞきからくりという見世物が廃れた今では、掛けことばの意味そのものが伝わりにくくなっています。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ