顔の仕替えかおのしかえ
別題: 羅宇のすげかえ
顔が寒いと言う男に、羅宇の仕替えのような手当てを勧める話。
あらすじ
「寒い、寒い」とこぼす男がいます。シャツを二枚、襦袢を三枚、そのうえ綿入れまで三枚重ね着し、羽織や丹前、コートまで幾重にも身にまとっているという、たいへんな着ぶくれようでした。
それだけ何枚も重ねて着込んでいるというのに、この男は顔だけが寒いと繰り返しこぼします。それを聞いた相手は、真顔になってひとつ思いつきを口にしました。
「家へ帰っていろりに火をおこし、よく燃えた火の中へ顔を突っ込んでから、しきいの上に持っていってかんぬきでこじり、グッと引き抜くといい」と、相手はいたって真面目な調子で妙な手当てを教えました。
話を聞いた男があきれて「あほらしい。煙管の羅宇の仕替えみたいやがな」と混ぜっ返すと、相手は悪びれもせず、いたって涼しい顔のままこう切り返しました。「冷える顔の仕替えだ」
成立と背景
この噺のサゲは、煙管と「冷える」ということば、羅宇と顔ということばをそれぞれ重ね合わせたしゃれになっています。上方の噺で、四代目笑福亭松鶴が演じていたと伝わります。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

