落語の演目

堪忍袋かんにんぶくろ

滑稽噺喧嘩夫婦

腹の立つことをかめに向かって吐き出す夫婦が、次第に他人の分まで引き受ける話。

あらすじ

夫婦げんかの最中に旦那が訪ねてきました。あまり度々なのであきれながら、腹を立てて損をした人の話や、しゃくにさわったことを瓶の中へ怒鳴り込み、人前では笑顔しか見せずに身代を築いた人の話をして聞かせます。

そのうえで、袋を縫って口もとにひもを付け、気に入らないことはその中へ怒鳴り込むようにしなさいと勧めて帰りました。女房はぶつぶつ言いながら袋を縫い始めます。

縫い上がるのを待ちかねた亭主がひったくり、きょうは神田の旦那が間に入ったから見逃してやるのだ、亭主を亭主らしく立てないと承知しないぞと怒鳴り込んで、気持ちよさそうに笑いました。女房も袋を取り上げ、同じように怒鳴り込んでから笑います。

その声を聞いた隣の家の者が、仲裁に入ろうと来てみたところ、二人とも笑っているので面食らいます。わけを聞くと、それでは自分にもやらせてほしいと言い、女房への不満を吹き込んで帰ります。

その晩、大工の辰さんが酔って来て、仲間とけんかして悔しいから吹き込ませてくれと言い、袋を無理やりひったくりました。そのとたん堪忍袋の緒が切れ、中にたまっていたものがあふれ出します。

成立と背景

明治に益田太郎冠者が作った噺です。三代目円馬から先代金馬に伝わりました。もとのサゲは、袋のひもが切れたとたん酔っぱらいを張り倒し、何をするのだと言われて堪忍袋の緒が切れたと答えるものです。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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