亀屋佐兵衛かめやさへえ
別題: 亀屋佐京
説教の席で寝込んだ老人を、もぐさ売りの口上をもじって起こす話。
あらすじ
近江の伊吹山のふもと、坂田郡柏原には、亀屋左京というもぐさ屋があり、「江州ー、伊吹山のふもとー、坂田郡柏原、本家亀屋左京、くーすり、もぐさよろーし」という独特の節回しの売り声で知られていました。
そんな折、六十一歳になる亀屋佐兵衛という老人が、ありがたいお説教の席で正座をしたままじっと耳を傾けているうちに、大きないびきをかいてすっかり眠り込んでしまいました。
困った講中の頭が、この独特の売り声をもじって、居眠りをする佐兵衛を起こしにかかりました。「講中、いびきじゃまのふもと、かしらはげ、ほんけ、亀足佐兵衛、ゆーすり、起こすは、よーい」
もぐさ売りの節回しまでそっくりに似せた呼びかけを聞いて、そばで様子を見ていた一人が声をかけました。「今のんで、ひとつすえたげなはれ」
成立と背景
上方の噺です。もじりに出てくる「ほんけ」は、数え六十一歳の祝いを指す本卦還りということばと、もぐさ屋の屋号である「本家」とを、一つの語に重ねた掛けことばになっています。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

