釜猫かまねこ
釜に隠れて茶屋へ運ばせようとした若旦那の企てが、筒抜けになる話。
あらすじ
若旦那が道楽が過ぎて外出を禁じられています。何とかして遊びに出たいと喜イ公と示し合わせ、味噌豆を炊くので大きな釜を貸してくれと借りに来させました。
その釜に若旦那が隠れ、茶屋へ運ばせて二階へつり上げ、手品の趣向で釜から飛び出す段取りです。ところがこの計画を大旦那がすっかり聞いていました。
大旦那は、いちばん大きな釜を庭へ据えるよう丁稚に言いつけ、二十五日にから釜を焚くと縁起がいいと言って下から燃やします。中の若旦那が熱がって飛び出し、二階へ逃げ込みました。空いた釜には、腹をこわした猫を入れておきます。
何も知らない喜イ公は釜を借り出し、茶屋の二階へ綱で引き上げました。ところが中から猫が飛び出して、あたりを汚します。慌てて追うと、猫は飛び降りて外を通りかかった後家の頭に落として逃げました。
怒った後家が茶屋へ文句を言うと、「こっちは知らん。ニャンばばや」。
成立と背景
上方の噺です。にゃんばばというのは上方の言葉で、猫ばばと同じ意味に使われたといいます。桂文枝より後は演じ手がありません。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

