落語の演目

加賀の千代かがのちょ

滑稽噺商売女房ご隠居

女房の入れ知恵で隠居から金を借りようとした男が、句の受け売りで見抜かれる話。

あらすじ

大みそかになっても家計のやりくりがどうにもつかない甚兵衛は、女房の入れ知恵を借りることにし、日ごろから世話になっている隠居のもとへ金を無心しに出かけて行くことになりました。

女房は「昔、加賀の千代という人は、朝の井戸端でつるべに朝顔が蔓を巻きつけて花を咲かせているのを見て、無理に取らずに隣から水をもらった」という故事を持ち出し、隠居にかわいがられているのだから甘えてみるよう夫にすすめます。

甚兵衛は女房から借り方をよく教わって隠居のところへ向かいましたが、もとより自分の考えではないので、話しているうちにところどころでボロを出してしまいます。それでも甚兵衛の頼みだからと、隠居は気持ちよく金を貸してくれました。

家に戻った甚兵衛は「どうもすいません。やっぱり朝顔だ」とひとりごとを言います。女房が「朝顔とはなんのことだい」と尋ねると、甚兵衛はこう答えました。「朝顔につるべとられてもらい水」

女房は「はてな、どこかで聞いた句だね。わかった、加賀の千代が詠んだ句だろう」と得意げに言い当てます。すると甚兵衛は、澄ました顔でこう切り返しました。「ううん、かかの知恵」

成立と背景

上方で演じられていた即興寸劇のにわかを、橘ノ円都という演者がひとつの落語として仕立て直しました。それを三代目桂三木助が教わり、東京へ持ち込んだ噺だと伝わっています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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