地見屋じみや
落し物を拾って歩く商売だと言う店子を、大家が怪しんで後をつける話。
あらすじ
ある長屋で店賃をためる者が多いなか、吉兵衛という店子だけは十五日にきちんきちんと払いますが、大家はその商売が何なのかわからず不思議に思っていました。
あるとき通りかかった吉兵衛を呼びとめて尋ねると、地面を見て歩いて落とし物を拾う「地見屋」という商売だと答えます。
そんなに物が落ちているはずがない、泥棒に違いないと決め込んだ大家は、翌日から吉兵衛のあとをつけて歩くことにしました。
くたくたになって夕方帰ってきた大家は、吉兵衛を呼んで「きょうは何か拾ったかい」と尋ねます。
吉兵衛は「きょうは妙な日で何も拾えませんでした。長いことこの商売をやっていますが、こんな日ははじめてです」と答えました。
大家がなおも「本当に何も拾えなかったのか」と念を押すと、吉兵衛は「それでも商売冥利で、汚い財布を一つだけ拾いました」と言い直します。
「どこで拾った」と聞かれた吉兵衛が「たったいま、井戸端で」と答えると、大家は「あっ、それはわたしのだ」といいました。
成立と背景
よくできた噺とされていますが、どういうわけかいまは演じ手がありません。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

