落語の演目

いかけ屋いかけや

滑稽噺上方落語が原話上方

別題: 山上詣り

仕事中のいかけ屋を悪童たちが取り囲み、次々といたずらを仕掛ける話。

あらすじ

いかけ屋が道端で仕事をしているところへ、いたずら好きの子供たちが群がってきました。火を吹く様子や釜から立つ青い火を幽霊呼ばわりしてからかい、ガキ大将が「かなづちを貸してくれ」とせがみます。

一番大事な道具だからと断られると、子供たちは腹いせに火に小便をかけて消してしまいました。今度はうなぎ屋の前へ移り、五銭の値札をひっくり返して二銭に見せかけ、安売りを強いる悪さをします。怒ったうなぎ屋は、団扇で灰をまき散らして子供たちを追い払いました。

そこへ白装束に脚絆甲掛け、金剛杖をついた五十がらみの男が通りかかり、うなぎ屋の手にした団扇を指して何という物かとたずねます。団扇に決まっていると答えると、男は「内であおぐから団扇なら、外であおいだら外輪だ」とやり込めてしまいました。

うなぎ屋の友人が、白装束に金剛杖なら山伏だろう、山伏なら山を歩け、里をうろついているなら里伏しだと言ってやれとけしかけます。うなぎ屋が追いかけてその通りに言うと、男はこう答えました。「わしは山伏じゃない、山上詣りだ」

山伏ではないと涼しい顔で切り返されたうなぎ屋は、すっかり毒気を抜かれてしまいます。言い返す言葉も見つからないまま、こう応じるほかありませんでした。「ああ、ごきげんようお詣り」

成立と背景

上方に伝わる噺です。道端に腰を据えて、通りがかりの客の鍋や釜を修理して回るいかけ屋という商売そのものが、今の世の中ではもうほとんど見かけられなくなった昔ながらの仕事です。

山上詣りとは、大峰詣り・行者詣りとも呼ばれ、大和国大峰山の奥の院にあたる山上ヶ嶽の蔵王権現に参る行いを指します。二代目桂春団治はこの噺を十八番とし、山上に「あんじょう」を掛けて「あんじょうお詣り」で落としていました。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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