落語の演目

位牌屋いはいや

滑稽噺江戸の小噺が原話銭勘定

けちな主人が八百屋にも芋屋にも同じ手で値切り、位牌屋にまでその調子で臨む話。

あらすじ

番頭が「坊ちゃんのご誕生おめでとうございます」と挨拶すると、けちな主人は「物入りがかさむのに何がめでたいものか」と取り合いません。摘み菜を売りに来た八百屋には、むしろに菜を広げさせてさんざん難癖をつけたあげく、結局買わずに追い返してしまいました。

主人は小僧の定吉に、こぼれた摘み菜を拾っておけ、汁の実が二、三度分は取れると言いつけます。芋屋が来ると「いい芋だ、昔琉球から薩摩へ献上した芋のようだ、これを負けておきな」と同じ文句を何度も繰り返し、芋をいくつもまきあげました。

主人は定吉に、仏師屋へ注文の位牌を取りに行かせます。定吉は仏師屋で、主人と芋屋のやりとりをそっくりまねて「いい位牌だ、昔琉球から薩摩様へ献上した品のようだ、これをひとつお負け」と言い、彫り損ないの位牌を余分にもらって帰りました。

主人は「馬鹿者、位牌を余分にもらってどうする、同じ負けてもらうならもっと大きい方にしろ」と叱りつけます。定吉はこう答えました。「なに、生まれた坊ちゃんのになさいまし」

成立と背景

同じけちを描いた「しわいや」の後編とする速記本もありますが、内容から見ると別の話です。「味噌蔵」の後編だとする説もありますが、独立した一編と見るべきものでしょう。

原話にあたるのは、文政七年に江戸で出版された笑話本「咄土産」に載っている「律義者」という一編とされており、同じ型の話は土佐の民話の中にも伝わっているということです。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ