落語の演目

堀川ほりかわ

滑稽噺喧嘩上方

別題: 猿廻し

店をつぶした息子と、喧嘩好きの向かいの息子を引き比べる上方の話。

あらすじ

酒と女に溺れ、店をとうとう飲みつぶしてしまった息子がいました。相変わらず毎晩酔っ払って帰ってきますが、母親が甘いために勘当もされず、そのまま身持ちの悪い暮らしを続けています。

向かいの家の息子は、酒も女も嫌いなかわり、火事と喧嘩に目がなく、一日に何度も暴れなければ気が済みません。うどん屋に難癖をつけ、足を洗わせておきながら代金も払わずに帰ってしまうこともありました。

酒好きの息子は毎朝きちんと仕事に出かけますが、喧嘩好きの息子はなかなか腰を上げません。母親は心中だ火事だとうそをついて仕事に出そうとしますが、うっかり「隣の裏で火事」と口にしてしまいます。

これを聞いた息子は大工の久造のところへ飛び込み、道具箱を運び出したり年寄りを担ぎ出したりの大騒ぎを起こしました。

翌日もまた仕事に出ようとしないので、近所のサルまわしの与治兵衛に頼んで起こしてもらいます。息子は「おもしろい。毎朝頼むぜ」と喜んで仕事に出かけました。

これを見ていた酒好きの息子の母親が言いました。「おやじどんや、向かいのせがれはあほやないか。お猿に起こしてもろて、お猿になって仕事に行きました」

父親が答えました。「人さんの息子さんをけなすのやないわい。うちのせがれを見てみい、毎晩トラになりよる」

成立と背景

二代目林家菊丸の作とされる噺です。三代目林家染丸がよく演じており、先年亡くなりました。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ